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北海道苫小牧東高等学校 体育授業/ダンス授業

北海道苫小牧東高等学校 体育授業/ダンス授業

■基本情報

授業担当者(インタビュー回答者) 田中 渓也 / 小出 えり
学年 / 利用人数 1〜3年生 / 711名 (2023年度)
教科 / 単元 体育 / 単元問わず
利用製品 SPLYZA Teams

■目次

●SPLYZA Teamsの活用サイクル
   →体育授業
   →ダンス授業
●強制ではない課外学習に生徒が取り組む工夫
●生徒への対応方法
●SPLYZA Teams活用後の変化
●メリットと課題
●生徒の声

■ 体育授業におけるSPLYZA Teamsの活用サイクル

田中先生:
単元を問わず、目標設定を明確にするために使用しています。基礎練習の時は違う使い方をしますが大体は同じです。 例えば、バスケットボールの単元で"レイアップシュート"をやる時は、そのシーンをみんなで撮ってタグ付け。「自分のプレーだけでいいからタグ付けしてね」と伝えて、「なぜ成功して、なぜ失敗したのか」というところから良い気付きを全体に共有しています。教員側が目標を与えるだけではなくて、生徒自身が考えた目標になるように導いています。

小出先生:
ダンスや器械体操でよく使います。器械体操では、1枚のマットを5〜6人で使用しているので、練習の空き時間に活用していました。たとえば連続技のところで、自分で撮って自分で気づいたことを書き込んで、それに対して私もフィードバックを書きます。次の時間に自分で「今日はここを意識しながらやろう」という使い方ができてきました。ダンスでは、課題ダンスと創作ダンスの時間にSPLYZA Teamsを活用します。

ダンスの課題の時間での活用

ダンスの課題の時間での活用

■ 描き込みや振り返りのタイミング

小出先生:
基本的には課外学習としています。ただ、当日来てから描き込みをしてお互い見ながら話し合いをすることが多いですね。ダンスだとみんな動いて練習したくなってしまうので.... 生徒へのフィードバックは、器械体操だと30分くらいですかね。1人30秒程度の動画なのでパーっと見て、1人1個か2個書いています。ダンスのように1個1個が長いと、少し時間をかけてみていますね。ただ、授業中に全員に声はかけられないので、動画を見て後で気になることを言ってあげられるのがすごく良い機能だと実感しています。

■ ”課外学習”として設定した背景

小出先生:
SPLYZA Teamsを活用する上で、授業の中では、”話し合いに時間をかけすぎない”という考えがありました。 あとは、"運動は苦手だけど色々と気がつける子"の考えも拾えたらと。「描き込みを課題としてやってくることで、 1時間の運動の時間は少し保障してあげましょう」という仕組みにしています。

■ 強制にしていない課外学習に生徒が取り組む工夫

田中先生:
「明日こういう練習したいから、こういう視点で見て」というように投げかけをしています。全部の映像を見ていると大変なので、見る視点を絞ってあげてプラスαで「”こうすればよかったな”というところがあったら書いてね」と伝えています。あとは、「全体で共有する」という工夫をしています。

授業風景

小出先生:
「SPLYZA Teamsの描き込みも評価だよ」という話をすると、全員比較的取り組んでくれますかね。運動が苦手な子ほど「ここで挽回しないと」と思うのか、積極的に取り組んでくれる印象があります。運動に対する意識の差は描き込みに対する意識にもあると思います。

■ 生徒への対応方法の工夫

田中先生:
全く取り組まない生徒はいないですが、描き込みの質に偏りが出ることはあります。描き込みを取り上げる生徒が固定化されたら面白くないなと思うので、色々な子を取り上げて、描き込みが苦手な子でもモチベーションを上げる工夫をしています。運動ができる子が必ずしも描き込みができているわけではなく、苦手な子でもアウトプットがしっかりできる子もいます。運動のできるできないを問わず、思考学習の楽しさを感じているようです。

■ SPLYZA Teamsを活用した変化

田中先生:
生徒の変化は、自分を客観視できる力が、生徒たちに養われてきていると感じます。外で見ている生徒がアドバイスするときも「何を見なきゃいけないか」視点の絞り込みができるようになっています。

全体像を見るのではなく、柔道であれば"投げ"の時の「相手の重心」や「自分の崩し方」をタグ付けするようになっているので、見るポイントがわかってきていますね。 文字で書くことだけでなく、オフラインのコミュニケーションに活かされることが重要です。文字で書くことは、”考えてから”書き出していると思うので、話すことは少しハードルが下がっていると思います。

授業風景

小出先生:
ダンスの時間は今までとは大きく変わったなと感じています。昨年までは、あまり話し合いをせず、できる子が考えたダンスをそれぞれが練習するということが多かったです。今年は、SPLYZA Teamsを使うことによって、みんなで動画を見てみんなで話し合うということがうまくできたなと実感しています。

例えば、1番描き込みをしている子は決して運動が得意な子ではないですが、意欲的に書き込んでくれて、それをみんなで映しながら話したりしています。グループ全体で色々問題意識をもってやることで、すごく上手になったんですよね。「動画撮るよ。そして自分たちで見よう」というのが習慣的になってかなり上達を感じているので、大きな成果になっています。

授業風景

■ SPLYZA Teamsを活用するメリットと課題

田中先生:
生徒が「自分で課題を見つけてみんなで共有して、理解した上で授業に入れる」というところですね。

小出先生:
課題としては、「習慣づけ」ですかね。学習サイクルの中にどうやって組み込んでいくか…。あとは、授業内で即時フィードバックをするにあたってwi-fiの環境問題がありますね。アップロードに時間がかかってしまった時は、次の回に前の試合の振り返りをするようになってしまうので。「ライブタグ」の機能を使って、タグ付けは授業内に実施することを来年度に試してみようと思っています。


生徒の声

■ SPLYZA Teamsを使い始めた体育授業の変化

生徒①:
これまでの体育は、その場で1時間授業をやって次の授業に臨むだけでした。SPLYZA Teamsを使うようになってから、終わった後に自分のいいプレーや悪いプレーを見て分析ができるようになりました。また、SPLYZA Teamsの色々な機能を使って分析することを覚えたので、体育を「する」こと以外の楽しさを感じました。

生徒②:
これまでは、相手の動きばかり注目していて自分の動きには注目していませんでした。SPLYZA Teamsを使うようになってから、自分の動きも映像で振り返るようになったので新しい気付きに繋がっています。また、自分の振り返りに対して先生からもフィードバックがもらえます。直接聞きづらいことや聞きに行く時間がなくても、先生が取り上げてくれることで次回に繋がっています。

生徒③:
SPLYZA Teamsを使うことで、自分が思ってなかったところをみんなが気づいてくれて助かっています。ダンスでは、「ここがぐちゃぐちゃで嫌だから揃えようね」というように、考えたことを映像の中に書き込んで使っています。バスケの授業では、以前より視野を広く持つことができるようになりました。

■ 分析する時の注目するシーン

生徒:
僕は、うまくできた方をよく見ます。「うまくできた」という嬉しさもあって、動画を見る時も楽しい気分になって、次の授業のモチベーションに繋がっているからです。

■ 友達の映像を見て新しい気づきはありますか

生徒:
あります。 先生が色々な人のいいプレーや描き込みを紹介してくれるので、自分以外のことにも触れることができて、2倍・3倍に吸収できている実感があります。

■ 映像の中に考えたことを書き込めるメリット

生徒:
以前は、その場で言葉で指摘するだけだったので忘れてしまうことが多かったです。今は、動画を見ながら「ここがダメだよ、あそこがダメだよ」と書き込むことができるので振り返りがクリアに思い出せます。