東洋大学健康スポーツ科学部では、教職科目の“保健体育科指導法”において、学生が教員役を務める模擬授業の実施と振り返りに「SPLYZA
Teams」をご利用いただいています。
この度は、当該授業をご担当の平野先生とTAの布袋翔汰さん、模擬授業の教員役を務め終えた直後の学生数名に簡易インタビューを実施したので、模擬授業の写真と共にお届けします。(訪問日:令和6年5月23日(木))
授業担当者 | 平野 智之(TA:布袋 翔汰) |
学年 | 3年生(前期) / 2年生(後期) |
利用製品 | SPLYZA Teams |
利用用途 | 模擬授業の実施と振り返り |
(訪問時は3年生の「タグラグビー」の模擬授業を見学)
種目 | タグラグビー |
模擬授業の対象 | 高校の体育授業 |
学生の役割&人数 | 教員役:3名 / 生徒役:約20名 |
授業(90分)の構成 | 10分:平野先生からの導入(出欠確認・準備など含む) 50分:模擬授業の実演 30分:平野先生→教員役へのフィードバック |
教員役の学生の事前準備 | ・模擬授業の授業計画の立案 ・ルール説明等を目的とした見本動画の準備とSPLYZA Teamsへのアップロード |
SPLYZA Teamsの利用シーン | ・模擬授業内で実施するゲーム(試合)の振り返り ・模擬授業の進行に対する教員(平野先生)からのフィードバック&教員役の学生自身による振り返り |
●従来の当該授業の様子
●SPLYZA Teams導入の決め手&導入後の変化
●テクノロジーを活用した授業に取り組む教員に求められること
●模擬授業の教員役を終えた学生の声
模擬授業内で何らかのゲーム(試合)を実施後、作戦会議のような時間を設けていても、動画が手元にないため振り返る対象がありませんでした。教員役の学生は課題をうまく伝えられずにただ「話し合ってください」と投げるのみ、生徒役の学生たちは頭の中で思い出しながら作戦会議を進めるしかなく、具体的なものが目の前にないので単なる感想になってしまいがちです。ゲームが終わって、作戦会議をして、また次のゲーム、というサイクルを濃い内容で実施できていなかった印象です。
各チームで撮影役を決めてゲームを撮影し、その後作戦会議を実施
導入の決め手は、タグと描き込みの両機能を使って教員からのフィードバックがすぐできることと、学生の動きを可視化できることです。生徒役の学生の動きを可視化できていると、ゲームを振り返る際にも深く話し合えていると感じます。教員役の学生が質問するシーンでも、「そんなに話せたの?」と驚くくらい話せていましたから、やはり動画を見ながらだと具体的に言葉にできるのでしょうね。とはいえ、短時間の作戦会議を経てゲームの様子が大きく変わったことには驚きました。
タグラグビーのような“ゴール型”の競技におけるポイントは、空間でも人でも「余剰の創出」だと考えていますが、動画を振り返ることでそこにしっかり目が向いたと思います。相手チームを見ながら傾向と対策を考えるという、学生の思考が進んだと感じました。「ゲーム理解」というテーマで授業を組み立て、考える体育を実現する上で非常に有効だと思います。
SPLYZA
Teamsは、うまく使えば生徒の思考を耕すことに役立つツールだと思います。ただ、ツール利用に頼り切ってしまって教員が教材解釈・教材理解を怠れば、結果だけを評価することになりかねません。また、器械運動・陸上・水泳といったクローズドスキルが必要な競技を扱う授業においては、映像として残る運動の“結果”と、生徒の“感覚”とを繋ぐ声かけを教員がしていく必要があり、その点は教員の力量が問われると思います。
模擬授業全体の様子も撮影&SPLYZA Teamsにアップロードし、タグを使って平野先生から「Good!」と「Check!」の評価付け。今後は“ライブタグ機能”を使ったリアルタイムでのフィードバックにも取り組まれる予定
・模擬授業中に撮影した動画をSPLYZA
Teamsにアップロードする際に、チーム毎にタイムラグが出てしまわないかなど、事前に授業計画を立てるタイミングで考慮することは多かった印象です。模擬授業の実演時には、動画のアップロードは意外とすんなり完了しました。
・教員役の学生たちで事前にアップロードしていた見本動画を授業中に見返して、「このシーンはこう動いたら良いよね」と話し合ってくれたチームもあり、意図した通りの活用が見られた点は良かったです。
・授業内で生徒役の学生がゲームの振り返りを話し合う際には、動画で自分やチーム全体の動きを見ながら話し合うことで、具体的かつ深い話ができていました。何も見ずに思い出しながら振り返るのではなく動画を使った方が明らかに効果的です。