課題研究の授業にて、動作についての定量データ確認と研究発表実施のために「SPLYZA Motion」を活用いただいている、大阪府立岸和田高等学校の福田先生への事例インタビューです。
授業担当者 | 福田 浩之 |
学年 / 利用人数 | 2年生 / 3名(2023年度) |
教科 / 単元 | 課題研究:健康・スポーツ分野 / 陸上競技・走幅跳の動作の研究 |
利用製品 | AIによるマーカーレス動作分析アプリ「SPLYZA Motion」 |
・従来の課題研究(健康・スポーツ分野)でのツール/テクノロジーの利用状況
・SPLYZA Motionの製品紹介を受けた時の印象
・トライアル利用開始後の感想
・生徒からのリアクション
・正式利用開始時の校内の手続き
・探究学習の授業において心がけていること
・SPLYZA Motionを授業で活用するメリット
大阪府立岸和田高等学校 教諭 福田 浩之 氏
スマートフォンで動画を撮ること以外はしておらず、その他に授業で使えるものはストップウォッチとメジャーくらいで、その範囲で取れるデータを生徒たちが処理して探究学習を進めていました。ただ、学校外での研究発表等を通じて、「より精確な身体動作のデータを取得できればまとめ方や考察の幅も広がるのに」と限界を感じ始めていました。
試技の撮影シーン
(紹介を受けた2021年の時点で)身体動作の角度や速度の計測は可能だったので、高校生ができるレベルの研究には充分だという印象を持ちました。厳密に言うと、「走り幅跳びにおける前方向と上方向の跳躍動作をもっと細かく見れたら良いのに」という思いはありましたが、手軽に使えるものなのでまずは試してみようと思いました。
まずは、スマートフォンで利用が完結するのが良かったです。機能面では、3~4秒の動画をアプリ上で処理する簡易な作業で、取得したかった角度と速度の数値がきっちり出てくれたので、扱いやすい印象を持ちました。
機能に対して素直に驚くような反応がありました。あと、SPLYZA Motion利用前と比べると、扱うデータ量が増えて幅が広がった反面、アプリ内で動画を処理する作業やデータを取り込む作業も多くなったため、大変なところもありますが、生徒たちは楽しみながら粘り強く取り組んでくれています。
授業風景①:研究を深める着眼点の仮説立てについてディスカッション
授業風景②:スマホ端末でSPLYZA Motionを利用しながら資料作成
SSH(スーパーサイエンスハイスクール)事業における探究学習用の予算の利用を学校に申請し、承認を得ました。トライアル利用段階でのSPLYZA Motionを用いた研究の内容や学校外での発表で一定の評価をいただき、それをさらに深めていきたいこと、このアプリを利用すればそれが可能であることを理由付けし、申請を出しました。
(仮説を持ち課題を設定するところが探究学習における肝であり、生徒たちにとっては難しいポイントだが、)先生である自分の思いだけが先行して全てを教え切ってしまうと、実際に探究学習を進める生徒たちがパンクしてしまうので、彼らのペースに合わせて「一つ先の目標を一緒に考えてあげる」ような感覚をもって生徒たちと接しています。
自由度の高いアプリであるがゆえに、「生徒にどう使ってもらうか」をリードするのは難しいですが、ストップウォッチとメジャーだけを使っていた従来と比べて、定量的なデータを用いた学習・研究における視野を一気に広げられる可能性があると感じています。